しかし、ロボアドバイザーだけでも多くのサービスが乱立し、知識・経験が少ない初心者にとっては、自分に適したロボアドを選ぶのは難しいでしょう。検索・SNSで情報収集しても、決定打となる情報が得られず、どのサービスで始めるべきか迷う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、運用アルゴリズムにAIを導入したロボアドバイザー「FOLIO ROBO PRO」を提供している株式会社FOLIO様に直接取材を実施。 サービスの魅力・運用実績・手数料について、事業者目線から解説していただきました。
ロボアドバイザーで資産形成を始めたいけどより詳しい情報が知りたい方は、ぜひ当インタビュー記事をご参考ください。サービスの理解が深まり、FOLIO ROBO PROで資産運用を始めるべきか、判断の一助となるでしょう。
目次
FOLIO ROBO PROの開発経緯:なぜ資産運用にAIを導入するのか?

ーーまず最初に、AIを活用した運用サービスを始めるきっかけを教えてください。
AIは運用の世界でもマッチするのではないか、結果が出せるのではないかと考え、FOLIO ROBO PROの開発を始めました。
投資の世界において、一番大事なのは情報処理です。どのような情報を集め、正確に分析できるかが重要で、AIはこの情報処理が最も得意な領域になります。
ーーファンドマネージャーが担当していた業務をAIが担う、ということですか?
その通りです。私はファンドマネージャーを20年以上務めましたが、主に2つの事が難しいと感じていました。
一つ目は情報の組み合わせです。相場の予想に役立つ情報が何かは理解しているものの、それらの情報を多角的に分析して結論を導き出す必要があり、人の頭では限界があります。私の場合だと、多くの指標を見て判断していましたが、毎日多角的な分析をするとなると5〜6個が精一杯でした。
FOLIO ROBO PROのAIは、40個以上の指標を毎日多角的に分析できるのが強みです。データ処理に厚みを持たせられるのは、AIの良いところですね。
ーーなるほど。もう一つ難しい事は何ですか?
人間なので、感情が入ってしまうことです。一番の敵は思い込みで、「景気悪いから駄目だ」と思った時点で、投資判断が鈍ります。明確な買いシグナルが出ていても感情で考えてしまい、結局買えないことが多々ありました。
つまり、どれだけ正確に分析して投資判断を下したとしても、実際の売買では相当なストレスがかかるんです。
わかりやすい例がコロナショックですね。2020年3月頃は世界中がパニックに陥っていましたが、相場は1ヵ月後には底をつき、FOLIO ROBO PROのAIは買いシグナルを出していました。ただ、ファンドマネージャーが実際に手を出せるかと言われると難しいですね。
ーーファンドマネージャーにとって難しい事が、そのままAIの得意領域になっているんですね。
はい。どのような相場でも感情に左右されることなく、淡々と分析して算出した予測値を基に投資判断を下せるのが、FOLIO ROBO PROの強みとなります。
AIを活用した運用戦略:投資家心理を先読みが重要
ーーでは、FOLIO ROBO PROの運用戦略について詳しく教えてください。先程申し上げたように、40個以上のマーケット指標をAIに分析させ、1ヶ月後の相場を予想させます。具体的には、8つのETFそれぞれが何%上下するかを予測します。
その予測値を伝統的な金融工学、多くのロボアドバイザーが採用している「現代ポートフォリオ理論」に基づいた運用アルゴリズムに当てはめて、ポートフォリオを組成する仕組みとなっています。

図1:FOLIO ROBO PROの運用戦略
ーー分析するデータを40個程度に絞っている理由は何ですか?AIだから、沢山分析した方が良い投資判断ができると思うのですが。
確かに、「沢山分析したら当たる確率が高いのでは?」と思ってしまいますが、実は精度の高い予測をするには、GDPや雇用統計といった経済データだと遅いのです。
ーーえっどういうことですか?
例えばアメリカ経済の場合、2022年夏の時点で景気は悪くないものの、投資家は2、3ヵ月前から悲観的で、9割ぐらいの人が景気後退が起きると読んでいます。コロナショックの相場が1ヵ月で戻った理由も、「いつかコロナは終わるよね」と投資家が楽観的に判断したからです。
つまり、金融市場では何ヵ月も先を読むことが重要で、“遅い”データをいくら集めても仕方がないんです。そのため、投資家の心理がいち早く出る指標を厳選した結果、40個程に絞られました。
ーー逆に、従来のロボアドバイザーはどのようなデータを活用しているんですか?
わかりやすく言うと、過去の実績を利用します。各資産クラスで過去のリスクとリターンの特徴を分析して、 リスク許容度に応じたポートフォリオを組成します。
そのうえで、お客さまに複数の質問に答えていただき、そのお客さまのリスク許容度に合った運用コースを提案します。一方、FOLIO ROBO PROではリスク許容度に応じた運用コースは設けず、いつ・誰が始めても、その時々において最もパフォーマンスが期待できるポートフォリオが提供されるサービスとなっています。
FOLIOが開催しているセミナーに参加されたり、数か月だけでも運用して頂ければ、他社様のロボアドバイザーとの違いはお分かりいただけると思います。
リリース2年半で脅威の+40%超!なぜ高い実績を維持できるのか?
ーーFOLIO ROBO PROの運用実績について教えてください。2022年7月で、FOLIO ROBO PROはリリースから約2年6ヵ月が経ちました。2020年1月15日から2022年7月29日まで運用した場合の運用実績は、約41.43% (※1)となっています。

図2:2020年1月末から2022年7月末まで主要ロボアドバイザーの運用実績
上記の資料は、ロボアドバイザーを提供する各社が開示している運用実績に関する情報を元に、2020年1月末から2022年7月末までの運用実績を当社にてまとめたグラフです。
グレーの帯はお客さまのリスク許容度に合わせた運用コースの幅を表しており、赤い点が平均値となっています。 この直近約2年半の運用実績を比較すると、FOLIO ROBO PROは高い実績を出せていて、帯の一番上、リスク許容度が一番高い部分で比較しても、高い実績が出ていることがわかります。
ーーたったの2年半で40%以上のパフォーマンスを出せるのは凄いですね。ここまで高い実績を出せている要因は何でしょうか?
これまでの実績から、FOLIO ROBO PROの強みは、トレンドが変わったタイミングを捉えることと、トレンドに乗ることだと考えています。例えばコロナショックの場合、ショックが起きる前にディフェンシブなポートフォリオに変更しました。相場が底をついて上昇トレンドに入ったと判断した時は、米国株と不動産のウエイトを上げて、トレンドに乗せることができました。

図3:コロナショック前後のポートフォリオ比較
逆に苦手な部分は、相場がどっちに行くかわからない状態での判断です。このような相場で無理に利益を狙うと、トレンドを逃してしまう可能性があります。そのため、基本的には様子見するスタンスを取っています。ファンドマネージャーが運用する場合でも、どっちに転ぶか様子見することがほとんどです。
なぜ従来のロボアドバイザーでも十分実績が出せるのか?
ーーここまでのお話を踏まえると、なぜ従来のロボアドバイザーでも十分な実績が出せるのでしょうか?これはですね、単純な右肩上がりの相場で、お客さまがリスクの高いポートフォリオを選んだからです。
直近10年間は、米国株が右肩上がりでした。そのような相場でお客さまが大きなリスクをとれば、米国株の割合の大きいポートフォリオが提案され、自然とパフォーマンスも良くなったんです。
ーーなるほど、従来のロボアドバイザーは過去の実績でポートフォリオを組むから、右肩上がりの相場が続けばパフォーマンスが出やすいんですね。
その通りです。なので、ロボアドバイザーが凄いのではなく、お客さまが強気の選択ができたことが凄いと私は考えています。
ただ相場が変わると、今までと同じパフォーマンスが出るとは限りません。例えば、アメリカ経済が後退していく状況でパフォーマンスを維持したいなら、リスクを選び変える必要があります。
FOLIO ROBO PROは相場を先読みして、1ヵ月ごとにポートフォリオを変更します。一方、一般的なロボアドバイザーのポートフォリオは頻繁に変更せず、短くても数ヶ月に一度です。そのため、お客さまのリスク許容度を変えない限り、ポートフォリオが変わることは滅多にありません。
FOLIO ROBO PROの運用手数料:1.1%に秘められた価値とは?
ーーFOLIO ROBO PROの運用手数料は、他のロボアドバイザーと同水準の年率1.1%(税込)です。一部の投資家からは、ロボアドバイザーの運用手数料で1%は高いという意見があります。運用手数料を引いた後のパフォーマンスを見て、判断していただけると嬉しいです。FOLIO ROBO PROでは、AIをフル活用してパフォーマンスを改善することに取り組んでおり、その対価として運用手数料をいただいております。
また、FOLIO ROBO PROでは「長期積立特典」という、当選者の方に過去3カ月分の運用手数料の一部、または全額をキャッシュバックする抽選プログラムも導入しています。

図4:長期積立特典の概要図
運用期間が長いほどキャッシュバック率が上がり、キャッシュバック率が100%の状態で当選した場合は、過去3ヶ月分の運用手数料の全額(最大10万円)がキャッシュバックされて実質無料となります。特典の詳細はFOLIOのウェブサイトをご参照ください。
ーーここまでのお話を踏まえると、私からすると運用手数料は非常に安い印象を受けています。
もっと言うと、FOLIO ROBO PROでは原則として毎月リバランスをおこなっていますが、その際の取引手数料は一切いただいておりません。他のロボアドバイザーは、リバランスの頻度は高くないものが多く、取引手数料はあまりかかっていないと思われます。そういう観点から考えても、FOLIO ROBO PROの運用手数料は割安だと思います。
一部の投資家から、「自分の手でリバランスすれば良いのでは?」という意見をいただきます。しかし、自分自身でネット証券を利用してETFを売買すると仮定して試算した場合、最終的な取引手数料は FOLIO ROBO PROの2倍以上かかる結果 となりました。取引手数料の詳細に関しては、FOLIO ROBO PROのコラムで詳しく解説しているのでご参考ください。
FOLIO ROBO PROが描く未来像:AI投資のパイオニアとして業界を盛り上げたい

ーー今後、AI投資が主流になる時代が訪れると思います。FOLIOとしては、どのような未来像を描いていますか?
我々は2021年8月にSBIグループに参画しました。SBIさんは、今後の資産運用は従来のパッシブ・アクティブ運用に加えて「AI運用」という新たなカテゴリーが加わる可能性も高いと考えています。現在SBIさんと共同して、一任運用基盤システムと一任運用サービスを提供するプラットフォーム「4RAP」を地方銀行に提供し、AIを活用した資産運用サービスを広げる取り組みもしています。
やはり資産運用でAIを活用することは、論理的に考えて成功する可能性が高いです。AIはデータ分析の正確さ・判断の正確さが強みなので、将来性は非常に大きいと考えています。
ーーとなると、今後AIを活用した競合サービスが増えると思います。
おっしゃる通り、ここ5年でAIを活用した資産運用サービスが乱立するでしょう。実際、「いつか競合優位性がなくなるのでは?」という意見もいただきます。ただ運用の立場からすると、AI投資が流行れば資金が増加し、各運用会社はパフォーマンスを良くしようと鎬を削ります。結果として、AI投資のパフォーマンスがどんどん良くなることが期待できます。
この流れには歴史があって、一時期カリスマファンドマネージャーが運用するアクティブファンドが盛り上がっていました。そのカリスマファンドマネージャーが買っている銘柄を皆が買うことで、パフォーマンスが良くなった流れがあったんです。
ーーなるほど。過去のトレンドを踏まえると、AI投資はもっと良くなる可能性が高いということですね。
はい。何かしらの運用スタイルが流行り始めると、行き着くところまで行く傾向があります。なので、現時点でAI投資に対して心配する必要はなく、もっともっと盛り上がっていくフェーズです。
現状、一部の人にはAIに対するイメージが良くありませんが、5〜10年経てばAIを使うことが普通になるでしょう。我々としては、AI投資のパイオニアとして先行者利益を生かしつつ、AI運用が主流になる時代を今後20年で実現させたいなと考えています。
ーー最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いいたします。
我々は、過去2年半の実績で、相場の様々な局面である程度対応できたことから、さらに自信を深めて、皆さんにFOLIO ROBO PROを提供しています。初心者から経験者まで、ぜひ利用を検討していただけると嬉しいです。
FOLIO ROBO PROについての他の記事へ
※1 FOLIO ROBO PRO運用実績について・サービス開始当初(2020年1月15日)から2022年7月29日まで、FOLIO ROBO PROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。小数第3位以下を切り捨てています。
運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。
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