不動産投資の情報収集術|物件を見つけるための効率的な方法とは?


不動産投資に関する情報は、新聞、雑誌、書籍、セミナーなど、いろいろな所から得ることができますが、会社勤めをしながら情報収集をするには、限られた時間の中で効率良く行うことが大切です。
今回の記事では、不動産投資における上手な情報収集の方法を具体的にお伝えします。
マクロ的視点とミクロ的視点から見る不動産投資の情報
マクロ的な視点とは、物事を大きな視点から見ることです。それに対してミクロ的な視点とは、非常に細かい部分に注目することです。
経済学では、この考え方をベースにしたマクロ経済学・ミクロ経済学が古くから活用されていますが、同様に不動産投資の情報収集にも役立てることができます。
不動産投資におけるマクロ的な情報とは、不動産投資そのものが、「今どういった動きをしているのか」という全体的な視点に立った情報を意味します。
具体的には、不動産関係の規制緩和や、再開発計画のあるエリアはどこか、最近人口密度が増えているエリアは〇〇だ、といった日本社会全体の状況を示した情報です。
これに対し、不動産投資におけるミクロ的な情報とは、どの不動産投資サイトがわかりやすい、〇〇不動産の営業マンは感じが良い、〇〇エリアに実際に行ってみると子育て世帯が多いようだ——といった個別の状況を示した情報を意味しています。
不動産投資の情報収集をする際は、マクロとミクロの両面から情報を得ることを心掛ければ、大切なポイントを取りこぼさない上手な情報収集ができます。
マクロ的な不動産投資情報を収集する4つの方法
①書籍から大まかな情報を得る
「不動産投資で家賃収入を得よう!」
「不労所得で将来の年金額を増やそう!」
こんなキャッチコピーに惹かれて不動産投資に関心を持ったとしても、具体的にどうすればいいのか途方に暮れてしまう方もいることでしょう。
こんな方はまず、書籍から不動産投資に関する大まかな情報を仕入れることからはじめましょう。
不動産投資の初心者におすすめの本4冊
『金持ち父さん 貧乏父さん – アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ/筑摩書房)
ダイレクトに不動産投資とは?という内容ではありませんが、資産とは何か、負債とは何かというお金の基本的なことがわかる大ベストセラーです。まだ読んでいない方にはぜひ本書をおすすめします。
『世界一やさしい不動産投資の教科書1年生』(浅井佐知子/ソーテック社)
著者は女性の不動産鑑定士です。「不動産投資とは何か」についてわかりやすく書かれており、最適な入門書といえます。
『まずはアパート一棟、買いなさい!』(石原博光/SBクリエイティブ)
大家を目指す人におすすめの一冊です。著者の実践経験を踏まえたアパート運営のノウハウや具体的な事例などが、不動産投資へのモチベーションを高めてくれることでしょう。
『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』(吉澤大/かんき出版)
不動産投資において税金の知識は不可欠です。この本では口語形式でレクチャーしてくれるため、内容は税金であるにもかかわらず、堅苦しさや難解な部分はありません。2014年度の税制改正にも対応しており、近い将来、相続をする可能性がある人にも最適の一冊です。
書籍はインターネット上の情報と比べ、経験豊富な専門家が正確な情報を公開しているだけではなく、図表も豊富です。ネットのブログ記事などより信頼性が高く、わかりやすいといえるでしょう。
今回ご紹介した書籍以外にもためになるものは豊富にありますが、書籍を選ぶ際には発行年月日をチェックし、新しいものを中心に読むことを心掛けてください。
②インターネットで書籍の不明点をチェック
ネットサーフィンで自己流に検索していくと、必要な情報にたどり着けず、デメリットやリスクなど、知っておくべき重要な情報を見落とすことがあります。
「不動産投資 お金持ち」
「不動産投資 簡単に」
こんなキーワードで検索をしたとしても、不動産投資を行う上で大切なマクロ的な情報は得られません。マクロ視点のブレない情報収集をするためには、まず書籍を読み、わからない専門用語をインターネットで検索する程度にとどめておきましょう。
③セミナーで最近の傾向のチェックと質問
不動産会社が開催するマンション投資セミナーは、最新の情報を得られる貴重な場です。
不動産会社の営業担当者や経験豊かな不動産投資家が講師なので、不動産投資を考えている方にとってプラスになることは間違いありません。随時、質問することができるだけではなく、個別面談にも応じてもらえるため、疑問を一気に解消させることができます。
とはいえ、不動産会社が行うセミナーは種類が豊富なため、正直、どのセミナーに参加すればいいか迷ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、まずはセミナーのテーマ、例えばあなたが女性であれば「女性向け」のセミナーを優先して見ていきましょう。そして、そのセミナーを主催する不動産会社の顧客層を考えます。
仮に、セミナーを告知するWebサイトのページの中に何度も「初心者」という言葉が出てくるのであれば初心者の方がセミナーに参加し、多くの方が顧客になっている実績がある不動産会社でしょう。一方、「年収800万円の~」という言葉がセミナー告知ページに何度も使われているのであれば、年収800万円くらいの比較的富裕層の顧客を多く抱える不動産会社だと考えられます。
自分自身の状況に適したセミナー、自身と同じような状況の顧客が多くいる不動産会社のセミナーに参加できれば、有益な情報を得ることができ、質問をした際に納得がいく回答を得ることができる可能性が非常に高くなるでしょう。
④国土交通省など公的機関からの情報をチェック
公的機関やシンクタンクのWebサイトからも、不動産投資における重要な情報が得られることがあります。例えば、総務省統計局の各市区町村のページを見てみましょう。人口密度などのさまざまな動きを知ることができます。
これらのデータを見ると、「現在、人気のあるエリア」だけではなく、「将来、需要が高まるであろうエリア」も予測しやすくなります(人口密度を意識して不動産投資を行うと、投資効率はさらに上がります)。
ちなみに、住宅需要が高いエリアとは、そこに住みたい人が多い地域のことを意味します。 住みたい人が多いということは、投資家としては家賃を高めに設定できるにもかかわらず、その一方で入居者もその場所に住み続けたいと考える場合が多いので、退去する可能性も低くなります。
人気の高いエリアにある物件は、不動産投資において非常に魅力的です。こうした情報については不動産会社のベテラン営業担当者に直接聞いてみるのも、有効な手段でしょう。
ミクロ的に不動産投資情報を収集する5つの方法
①具体的な物件情報はWebサイトと広告から得る
不動産投資に関する全体的な動きをつかんだら、投資したい不動産の大まかな条件を固めます。
自身の経済状況も勘案し、「どのエリアで、価格はいくらぐらい」という条件を設定しましょう。その後、設定した条件に合った物件を探してみます。
物件探しは、広さや築年数などが表記されていて、お部屋内の写真もある、不動産会社のWebサイトに掲載されている物件情報を見るのが一番確実です。優良な不動産会社はWebサイトが充実しています。
また、新聞の折り込みチラシには新築物件の情報が多数、掲載されています
個別の物件情報だけではなく、不動産投資の体験談や経験者のコラム、税制・法律の解説などが詳しく掲載されていることもあるので、積極的に活用しましょう。
②新聞広告やチラシなどの紙媒体をチェック
新聞広告や折り込みチラシも有力な情報源です。
普段から新聞の広告や折り込みチラシなどを見る習慣をつけておけば、細かな変化を感じ取ることができるようになり、価格の動きなども敏感に察知することができるようになるでしょう。
なお、広告を見る際は、小さい文字にも注意するように心掛けてください。とても重要なことが小さく書かれていることが意外と多いのです。
③ネットで不動産会社の口コミをチェック
口コミは不動産投資において大切なミクロ的情報源です。
インターネットではSNSを中心に個人の主観による投稿が日々寄せられています。口コミには非常に個人的なものも含まれますが、件数が特に多いもの(100件以上)で同一意見であれば、無視することはできません。
例えば、不動産投資会社の名前を検索すれば、良い口コミも悪い口コミが出てくるでしょう。
多くの良い口コミがある会社は、良い不動産会社である可能性が高いです。逆に悪い口コミだらけの不動産会社に関しては、どの部分が悪い評価になっているのかをチェックしましょう。
④都心部の物件を扱っている不動産会社を選ぶ
気をつけねばならないマンション投資リスクのひとつに、空室リスクがあります。せっかく投資のために物件を保有しても、借りる人がいない状態が長く続いてしまえば期待していた収入が得られなくなってしまうのです。
過去に総務省統計局が発表した人口推計(2018年10月1日現在)によれば、日本で人口が一番多いのは、東京都の1382万2千人で次いで神奈川県が917万7千人となっています。
賃貸需要は人口に比例するものです。投資用に物件を選ぶ際には、賃貸需要がある人口の多い都市に絞ることが大切です。
たとえば関東で不動産投資をするのであれば、東京23区をはじめ横浜、川崎などが賃貸需要の多いエリアだと言えます。
不動産のプロである不動産会社を選ぶ際には、賃貸需要の多い都心部の物件を多く扱い、そのエリアを得意としている不動産会社かどうかをひとつの判断基準にして選ぶとよいでしょう。
不動産会社のホームページでも仲介している物件を確認できますが、改めて商談の際に営業マンに確認してみましょう。
⑤営業マンを味方につける
投資を成功させるために収集すべき情報は意外に多いものです。また、収集した情報を「どう解釈して投資物件の選択に生かすか」という問題もあります。
だからこそ、信頼できる「プロ」である不動産会社の営業マンを「味方」にする必要があります。
営業マンに対して「相談すると、買うことを強くすすめられるのではないか」と考えてしまいがちですが、最近は営業の姿勢に変化が見られるようです。
「不動産を売る人」ではなく、「お客さまに適した不動産投資をアドバイスする人」をスタンスとする不動産会社が増えているのです。
親身になってくれる営業マンを見つけられれば、自身の負担が減るばかりではなく、成功への近道になるでしょう。
⑥購入を決める前に現地調査をする
購入を具体的に検討する段階では、現地の調査もしましょう。
購入したい物件がある程度固まったら、必ず現地に足を運んでください。その際、駅からの距離や近隣の状況を自分自身でチェックしましょう。
物件によっては、「平日と休日」「昼間と夜間」で、大きく環境が変わることもあります。
駅や商業施設に近い物件は、利便性は良い反面、騒音などのデメリットがあることも考えられるでしょう。また、街灯が少ないような場所は、女性から敬遠される可能性が高くなるはずです。
住む人の立場で現地に足を運び、物件の善し悪しを考えることが大切です。
大家さんに必要な法律的な知識
不動産投資の情報を収集するほかに、法律的な知識も最低限身につけておくとよいでしょう。
不動産投資とは、自分が大家となって部屋や建物を入居者に賃貸することです。したがって、入居者との間でトラブルが発生することも珍しくはありません。話し合いで解決ができればよいのですが、場合によっては法律問題に発展することもあり得るのです。
例えば、「家賃の支払いが毎月遅れる入居者」や「ほかの住民とトラブルを起こすトラブルメーカーの入居者」がいるとしましょう。
こうした入居者にはすぐに退去を求めたいところですが、入居者は「借地借家法」という法律で守られています。そのため、大家の思うとおりには簡単に退去させられないのです。逆に入居者に非があっても、大家が訴えられてしまうケースもあります。
また、大家が「入居時に交わした『賃貸契約書』に記載された通りの行為をした」場合でも、「入居者に一方的に不利な内容」と判断されれば、契約書自体が法的に無効にされることもあります。事実、近年は消費者契約法に基づいて大家さんが敗訴する事例が増えているようです。
なお、ワンルーム投資をする場合は、「分譲マンションの一室だけを持つ」ことになりますが、法的には「区分所有者」となるため、区分所有者の権利や義務を定めた法律「区分所有法」が関わってきます。
このように、大家という立場上、把握しなければならない法律はいろいろあります。しかし、これらの法律に詳しくなければならない……というわけではありません。
実際、多くの方は、専門の管理会社に入居者との交渉を委託するので、万が一トラブルが発生しても管理会社に対応してもらいます。
ただし、ある程度の知識を備えておくのが望ましいことは、確かです。自らが対応することはなくても、管理会社を選ぶ際に相手の知識量を判断することができ、より適切な「管理会社選び」ができるでしょう。
丁寧に情報収集をすれば、不動産投資が成功する確率は上がる
不動産投資においては、丁寧な情報収集が成功の可否を決めるといっても過言ではありません。
まずは書籍でマクロ的な視野を養い、次にセミナーや折り込みチラシ、インターネット上の口コミなどからミクロ的な情報を収集することをおすすめします。
この順番を逆にすると、情報収集が長期化するだけではなく、自分の知りたい情報しか目に入らなくなるおそれがあるため、注意が必要です。

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監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)
管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士