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マンション投資とは?仕組みやリスク、失敗を回避する方法を徹底解説
マンション投資に興味はあるものの、失敗やリスクを不安に感じていませんか?
また、投資するべきマンションの選び方がわからないとお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、マンション投資の仕組みとメリットを解説し、失敗を防ぐために、想定されるリスクとその回避方法を紹介しています。
投資するマンションの選び方についても紹介しているため、マンション投資で成功したい方やマンション投資を検討中の方はぜひご一読ください。
マンション投資の仕組みとは?
投資用マンションを購入して行う不動産投資をマンション投資といいます。
マンション投資の概要や利益を得られる仕組み、市場規模について解説します。
そもそもマンション投資とは?
マンション投資とは、投資用マンションを購入して入居者に貸し出して家賃収入を得る不動産投資の一種です。
マンション投資では、入居者がいる限り家賃収入が入り続けるため、安定した収入を期待できます。
マンション投資には、マンションを一棟購入して運用する「一棟マンション投資」と、マンションの一室を購入して運用する「ワンルームマンション投資」の2つがあります。
一棟マンションには多くの入居者がいるため、大きな家賃収入が期待できるメリットがある反面、物件価格が高いというデメリットもあります。
一方、ワンルームは物件価格が安いというメリットがある反面、家賃収入は一棟マンション程ではない点がデメリットです。
マンション投資で利益が出る仕組み
マンション投資の利益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つがあります。
キャピタルゲインとは資産の売却によって得られる利益のことで、マンション投資であれば、購入時よりも高値で物件を売却することで得られる売却益がキャピタルゲインに該当します。
一方、インカムゲインとは資産を保有していることで得られる利益のことで、マンション投資であれば、家賃収入がインカムゲインに該当します。
マンション投資のインカムゲインは、少ない労力で毎月安定した家賃収入を期待できることから、不労所得ともいわれます。
マンション投資の市場規模
株式会社不動産経済研究所「2022年上期及び2021年年間の首都圏投資用マンション市場動向」によると、首都圏で2022年1月~6月に供給された投資用マンションは86物件、3,650戸で、平均価格は3,221万円でした。
また首都圏で2021年に発売された投資用マンションは130物件、6,028戸で平均価格は3,132万円となっています。
投資用マンションは、1990年代後半から2000年代半ばまでは超低金利を背景に供給が増加。その後、地価の高騰やリーマンショックなどの影響により2010年には4,583戸まで落ち込みますが、2011年から回復。
2012年以降は、おおよそ6,000戸弱から7,000戸台を推移している状況です。
マンション投資のメリット
マンション投資のメリットを7つ紹介します。
少ない初期投資で始められる
マンション投資と聞くと大きな初期投資が必要というイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし、多くの場合マンション投資では、物件購入の際に不動産投資ローンを利用するため、おおよそ物件価格に対して10~20%の自己資金があれば始められます。
レバレッジ効果がある
レバレッジとは「てこの原理」のことで、少ない初期投資で大きな取引ができる仕組みのことをいいます。
例えば、表面利回りが4.0%でレバレッジがない一般的な金融商品に投資をした場合、1,000万円の自己資金で得られる収は40万円にとどまります。
一方で、自己資金1,000万円に加え、4,000万円の融資※を受けて、価格5,000万円、表面利回り4.0%のマンションを購入すると、ローン返済中は年間約48万円の(家賃収入200万円-ローン返済約152万円)を得られ、ローン返済後は年間200万円の家賃収入を得られる計算になります。
※利率1.7%、返済期間35年で計算、諸費用や税金、家賃変動については考慮せず。
このようにマンション投資はローンを利用して、レバレッジ効果を働かせることができます。
手間がかからない
マンション投資は入居者がいる限り安定した家賃収入が期待でき、収入を得るための労力が比較的少なくて済みます。
入居者のクレームや家賃の滞納、修繕・修理の対応などが必要になる場合もありますが、建物管理や賃貸管理に管理を委託すれば、オーナーの労力は大幅に減らせるでしょう。
マンション投資の月々の家賃収入は手間をかけずに得られることから、不労所得ともいわれます。
生命保険効果がある
ローンを利用してマンションを購入した場合、団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険に加入すると、ローン契約者に万が一のことがあった場合、保険金により残債がゼロになるため、遺族に家賃収入を生み出すマンションを残債なしの状態で遺すことができます。
このようにローンを利用したマンション投資では遺族に資産を遺せることから、生命保険としての効果も期待できます。
公的年金の上乗せ収入を作れる
マンション投資は入居者がいる限り安定した家賃収入が期待でき、老後も引き続き運用を継続すれば公的年金の上乗せ収入になります。
老後、公的年金だけで生活していくことが不安な方にマンション投資はおすすめです。
インフレ対策になる
現金や預貯金を資産として保有していると、物価上昇局面では資産価値が目減りしてしまいます。
一方で、マンションを資産として保有していると、インフレ局面でマンション価格が上昇する場合もあります。場合によっては家賃を値上げできる可能性もあるでしょう。
相続税対策になる
投資用マンションは他人に貸し出しているため、資産としての評価額が下がります。
例えば1億円を現金で保有していて相続が発生した場合、資産評価額は1億円のままです。
しかし1億円の投資用マンションを購入し、後に相続が発生した場合、投資用マンションの評価額が時価の7~8割で評価されるため、結果的に相続税を節税できる可能性があります。
しかし、近年マンションの評価額が時価と大きく乖離しているケースが多々確認されていることから、適正化を図るための税制改正が予定されており、今後、相続税の節税は難しくなる可能性もあります。
マンション投資のリスクと回避方法!失敗を防ぐには?
マンション投資には多くのメリットがありますが、投資であるためリスクもあります。
マンション投資の代表的なリスク、および、その回避方法を紹介します。
空室リスク
入居者が退去して家賃収入が減少、あるいは全くなくなるリスクのことを空室リスクといいます。
空室リスクは日頃のオーナーとしてのトラブル対応や、入居者とのコミュニケーション次第である程度の抑制は可能です。
しかし転勤や家族の事情、介護施設への転居などやむをえない事情で退去をする入居者もいるため、完全にゼロにすることはできません。
空室リスクを避けるためには、日頃の入居者対応も大切ですが、仮に空室が発生しても次の入居者を見つけやすいように、立地の良い物件を選ぶことが大切です。
また、空室リスクの回避方法としてサブリースの活用もおすすめです。
サブリースとはサブリース業者がオーナーから賃貸物件を借り上げて転貸することです。
サブリース業者は賃貸物件の入居者の有無に関わらず、オーナーに賃料を支払うため、オーナーは空室リスクを回避できます。
ただし、契約期間中であっても、更新時期にかかわらずサブリース業者から「借地借家法第 32 条」の規定により賃料の減額や、サブリース契約の解除をされることがあります。
家賃滞納リスク
所有する物件の入居者が、なんらかの事情で家賃を滞納する場合があるかもしれません。
スムーズに家賃を回収できないと、オーナーにとっては大きなストレスになることでしょう。
こうした家賃滞納リスクについては、サブリース業者の利用や、滞納した家賃を保証してくれる家賃保証会社と契約することで回避できます。
老朽化リスク
投資用マンションは長期的に運用していくため、建物や設備の老朽化は避けられません。
将来のことを見越して、物件を購入する段階で、定期的に生じる建物や設備の修繕費用や突発的に生じる破損に対応するための費用なども盛り込んだ資金計画を立てましょう。
天災リスク
火災や台風、洪水、地震などの自然災害で建物が損害を受ける可能性があります。
こうした火災や天災で建物に損害が生じたときでも、火災保険や加入しておけば修理代が火災保険から支払われます。
ただし地震による損害は、火災保険とは別に地震保険に加入してカバーする必要があるため、注意が必要です。
また定期的に火災保険の金額が適正か、時代にあった補償内容になっているかどうかもチェックしておきましょう。
金利上昇リスク
多くの場合、不動産投資ローンでは変動金利を選択するため、返済期間中に経済情勢などの影響を受けて金利が上昇し、月々の返済額が増える場合があります。
投資用マンションを運用している期間中も、経済情勢や金利の情報はこまめにチェックしておきましょう。
また、いざ金利が上昇しても繰り上げ返済できるように、普段から余裕のある資金計画を立てて、資金を準備しておくことも大切です。
マンション投資の事例
マンション投資はどれくらいの利益が見込めるのでしょうか?
具体的な費用の目安や、具体的な事例について見ていきましょう。
初期費用
投資用マンション購入時には、物件代金以外にもさまざまな諸費用がかかります。
マンション取得費用
物件そのものを取得するための費用です。
一般的に不動産投資ローンを利用するため、購入時に物件価格全額を準備する必要はありません。
ただし手元資金が全くないと、金融機関によるローン審査に通らない確率が高まります。
投資用マンションを現金で購入する場合や、すでに不動産投資でかなりの実績を挙げている方でない限り、諸費用とは別に物件代金の10~20%程度の自己資金を準備しておきましょう。
団体信用生命保険(団信)の特約費用
ローン返済中に契約者に万が一のこと(死亡または高度障害状態)があった場合、団信に加入しておけば残債がゼロになります。
一般的に団信費用はローン金利に含まれていますが、がん団信など補償範囲を拡大した団信を付加すると、別途特約費用がローン金利に上乗せされる場合があります。
仲介手数料
マンションを売買したときに、取引を仲介した不動産会社に支払う手数料のことです。
仲介手数料の上限は物件価格×3.0%+6万円が上限価格です。
ただし、売り主から直接物件を購入した場合(直接売買)、仲介手数料はかかりません。
不動産取得税
土地やマンションなどの取得時に、一時的にかかる税金です。
令和6年3月31日までに取得した場合の税率は、建物(住宅)が3.0%、土地(土地および宅地評価された土地)が1.5%となっています。
印紙税
契約書に収入印紙を貼り付けて納税が完了する税金です。
印紙税は契約金額に応じて税額が段階的に上昇します。
仮に令和6年3月31日までの間に作成された不動産売買契約書の場合、契約金額1,000万円超5,000万円以下のときの印紙税額は1万円(軽減前税率2万円)、契約金額5,000 万円超1億円以下のときの印紙税額は3万円(軽減前税率6万円)です。
登記費用
所有権移転登記や抵当権設定登記にかかる費用です。
登記手続きは司法書士に依頼することが多いことから、登記費用は一般的に司法書士費用を併せて支払います。司法書士費用は10~20万円が相場です。
【売買による所有権移転登記費用の計算方法】
建物:固定資産税評価額×2.0%
土地:(軽減前)固定資産税評価額×2.0%(令和5年3月31日までは1.5%)
【抵当権設定登記】
借入額×0.4%
火災保険料・地震保険料
天災リスクに備えるために、火災保険や地震保険への加入が必要です。
保険料は所有している物件の面積や、物件所在地、物件の構造などによって異なります。
現在の火災保険の加入期間は最長5年のため、長期的にマンション投資をする場合、定期的に火災保険料・地震保険料が必要になります。
金融機関への融資手数料
投資用マンション購入にあたってローンを利用する場合、借入金額に応じた手数料がかかります。
融資手数料の相場は、借入金額の1.0~2.0%が相場です。
運用中に必要な費用
投資用物件取得後も継続的にかかる費用があります。また不動産投資ローンを利用していれば、毎月の返済が必要です。
3,500万円の物件でマンション投資を始めた場合の年間収支の一例を紹介します。
家賃収入 | 105万円 |
---|---|
賃貸管理手数料(家賃収入×5.0%) | 5.2万円 |
建物管理費 | 7.5万円 |
修繕積立金 | 7.5万円 |
固定資産税・都市計画税(小規模宅地の特例はないものとする) | 41.6万円 |
借入金返済(不動産投資ローンの借入額3,000万円、金利3.0%、返済期間30年) | 約151万円 |
所得税 | 20万円 |
収支 | ▲127.8万円※ |
※借入金の返済が終了すれば、借入金返済部分が0円になるため、収支は+23.2万円に改善されます。
賃貸管理手数料
マンション投資を始めると、入居者の募集から契約の締結、部屋の管理、家賃回収、トラブル対応などの業務が発生します。
しかし会社員がマンション投資をしている場合、本業に支障をきたすかもしれません。
こうしたマンション投資に関連する賃貸管理業務は、賃貸管理会社に委託できます。
仮に、賃貸管理業務を委託した場合の手数料相場は、家賃収入×5.0%程度です。
建物管理費
ワンルームマンションを所有する場合、共有部分の管理は管理組合に委託をするため、建物管理費がかかります。
区分マンションはご自身が所有する専有部分と共有部分の2つに分かれていて、共有部分については管理組合で管理をします。
共有部分の管理は管理組合に委託することになるため、建物管理費が発生します。また将来の共有部分の大規模修繕に備えて、修繕積立金も必要です。
その他、専有部分の設備交換費用や、修繕費用、退去が生じたときにハウスクリーニング費用などはオーナー負担になる場合もあるため、管理費とは別に用意しておきましょう。
固定資産税・都市計画税
毎年1月1日時点で土地や建物などの不動産を所有していると、固定資産税がかかります。
また、土地や建物が都市計画区域内にあれば都市計画税の支払いも必要です。
固定資産税の税率:固定資産税評価額×1.4%
土地の場合、住宅一戸あたり200㎡までの部分は固定資産税評価額×1/6×1.4%(小規模宅地の特例)
都市計画税の税率:固定資産税評価額×0.3%
所得税・住民税
マンション投資で家賃収入が経費よりも多い年は、所得税が発生し、その翌年は住民税が発生します。
副業でマンション投資をしている方は、本業の所得と合算して確定申告を行い、所得税を納めます。
例えば、本業の所得が400万円(給与所得控除後)で、マンション投資の所得が100万円だった場合、合計所得金額は500万円です。
ただし、マンション運営で経費が発生していれば、合計所得金額から経費を差し引くことができます。
住民税は確定申告をすると申告内容をもとに住民税が決まり、後日通知された納付額を納めます。
投資するマンションの選び方
投資用マンションの選び方のポイントについて解説します。
投資用マンションの種類
投資用マンションを選ぶにあたり、まずは投資するマンションの種類を把握しましょう。
投資用マンションは「一棟マンション」と「ワンルームマンション」のどちらを選ぶか、また「中古マンション」と「新築マンション」のどちらで運用するかによって投資手法が異なります。
一般的に新築マンションは物件価格が高いため、中古マンションに比べて利回りが低く、中古マンションは物件価格が安いため、利回りが高くなります。
ただし中古物件は購入してすぐに修繕費がかかることがあるため、購入前により慎重な物件チェックが必要です。
中古マンション | 新築マンション | |
---|---|---|
利回り | 高い | 中古に比べると低い傾向 |
物件価格 | 安い | 中古に比べると高い傾向 |
入居者 | 新築よりも見つけにくい(立地次第) | 比較的見つけやすい |
家賃 | 新築より安い傾向 | 中古と比べると高い傾向 |
修繕費 | 修繕費が発生しやすい | しばらくの間、修繕費は発生しにくい |
※ここで紹介している中古マンションと新築マンションの違いは、あくまでも傾向であり、物件の立地や周辺環境により異なります。
選び方①立地
投資用マンション物件の選び方で、立地は特に重要です。
主に電車通勤となるエリアでは、物件が駅の近くにある、あるいは商業施設や医療施設がそばにあるなど、利便性が高い立地にある物件は、仮に退去が発生してもすぐに次の入居者が見つかりやすく、空室リスクも軽減できるでしょう。
また好立地の物件は物件価格も下がりにくい傾向があり、資産価値が長期間保持されることを期待できます。
選び方②部屋の広さ・間取り
地域の特徴を理解して、適切な広さや間取りの物件を選ぶことで、入居者が集まりやすくなります。
三角形や台形など変形の物件は、家電や家具を置いたときにデッドスペースが増えるため、避けたほうがよいでしょう。
選び方③建物の構造
自然災害によるリスクのうち、地震によるリスクを少しでも軽減するために、新耐震基準を満たした物件を選びましょう。
1981年(昭和56年)6月1日に耐震基準が改正されているため、基本的に1981年6月以降に建築確認を受けた物件であれば新耐震基準は満たしていると考えられます。
旧耐震基準の物件を購入した場合、耐震補強のために多額の費用がかかる可能性があるので注意が必要です。
選び方④設備
中古マンションは後発で建築された物件に比べて、設備で劣る傾向があります。
特に中古マンションを購入するときは、周辺の競合物件と比べて設備面で見劣りをしていないか、確認しておくことが大切です。
一方、新築の場合は最新の設備が備わっている可能性が高いと考えられます。
選び方⑤築年数
築年数が経過したマンションほど利回りが高くなる傾向がありますが、修繕費や修繕積立金も高額になりがちです。
中古マンションと新築マンションの双方にメリットとデメリットがあるため、慎重に比較検討をする必要があります。
まとめ
マンション投資には、一棟マンション投資、ワンルームマンション投資があり、さらに新築、中古という選択肢があり、それぞれ運用方法が異なります。
今回紹介したマンション投資のメリットやリスクの回避方法、物件の選び方を、ご自身のマンション投資の成功にお役立てください。
なお具体的に投資用マンションの物件を見てみたいという方に向けて、10分からでも気軽に相談可能なオンライン個別相談を用意しています。
市場に出回っていない自社のみの物件情報も提供できるため、この機会にぜひご活用ください。
※本記事の掲載内容は、掲載時点(2023年3月)の法令・情報等により基づいておりますが、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではなく、本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、運営者及び情報提供者は一切の責任を負いません。
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監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)
管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士