不動産投資に失敗する理由とは?5つの失敗事例と成功のポイントを解説

2019.4.1   2023.2.2
レイビー編集長 小泉由貴乃レイビー編集部
不動産投資 失敗 不動産投資とは

不動産投資における失敗とは「設備や建物の修繕による支出に耐えられずに売却してしまった」あるいは「空室続きで家賃収入が得られなかった」などの理由から、赤字で不動産投資を終えてしまうことです。

この記事では5つの事例をもとに「どのような場合に不動産投資に失敗するのか」「不動産投資で失敗する人の特徴」の他に「不動産投資を成功に導くためのポイント」について解説しています。

不動産投資で失敗を避けたいと思っている人に参考になる内容です。失敗を回避するために、リスクについて学びたい人はぜひご一読ください。



不動産投資における「失敗」とは

マンション投資 失敗

不動産投資に失敗した、という話を聞いたことがあるかもしれません。一体、不動産投資における失敗とは、どのような状態のことをいうのでしょうか?

不動産投資の失敗=赤字で不動産投資を終えてしまうこと

不動産投資の失敗とは、不動産投資の撤退時や売却時に、これまでの家賃収入の累計と売却差益の合計が赤字になること、つまり「赤字で不動産投資を終えてしまうこと」を指します。

不動産投資の失敗とは?

累計の家賃収入+不動産の売却益(売却損)<投資額

不動産投資の失敗≠運用中の赤字

不動産投資を続けていると、入居者が退去して家賃収入がゼロになったり、建物や設備が破損して急な支出が生じたりすることもあるでしょう。

しかし不動産投資の運用期間中に、こうした突発的な状況によって赤字が生じても、不動産投資を終えない限り失敗したとは言えません

不動産投資5つの失敗事例

不動産投資で失敗しやすいのは、どのようなケースでしょうか?具体的な失敗例を5つ紹介します。

業者の説明を鵜呑みにし、不正に物件を購入してしまった

数多くの不動産会社がありますが、すべての不動産会社が良心的とは限りません。

悪質な不動産会社の言葉を鵜呑みにすると、知らないうちに不正に手を貸したうえ、失敗に至ることがあるため注意が必要です。

過去にあった不動産投資にまつわる不正事例を2つ紹介します。

不動産投資の不正事例①かぼちゃの馬車事件

多くの不動産投資家に知られている不正の事例として「かぼちゃの馬車事件」があります。

かぼちゃの馬車とは、スマートデイズという不動産会社が建設・販売・管理をしていた女性用シェアハウスの名称です。

スマートデイズは当初、不動産オーナーに対して「頭金なしで購入可能」「利回り8.0%」「30年間の家賃保証」という魅力的なサブリース契約で多くの投資家を集めていました。

サブリース契約自体は決して悪い物ではないのですが、「かぼちゃの馬車」の入居率は低く、サブリース賃料の資金源は建築会社からの高額な謝礼金(キックバック)となっていたため、常に建物を建て続けなければいつかサブリース賃料をオーナーに支払えなくなるというものでした。

案の定スマートデイズはオーナーにサブリース賃料を支払えなくなり、賃料が受け取れなくなることで、物件購入時に利用した不動産投資ローンを返済できなくなるオーナーが現れ始めました。

2017年10月には銀行は同案件に対して新規の融資を停止。それに伴い、自転車操業をしていたスマートデイズは破産手続きに至ります。

一方でこのかぼちゃの馬車事件には、資産証明文書の改ざんによって、本来は融資できない人への融資を可能にするという銀行側の不正融資にも問題がありました。

不動産会社と金融機関の両者が結託したために不正を見抜くことが難しく、多くのオーナーが借金を抱え、自己破産した人もいたようです。

かぼちゃの馬車事件をきっかけに、各金融機関の不動産投資ローンへの融資姿勢は一斉に消極的になったとも言われています。

不動産投資の不正事例②フラット35による不正融資の事例

本人の居住用物件を購入するための住宅ローンである、フラット35を悪用して不正を働く不動産会社もありました。

その手段は、通常では不動産投資ローンの審査に通らないような人に対し、「数年住んでから貸せば不正にはあたりません」「金融機関にはご自身で住むと答えてください」など、フラット35の融資を不正に受けるための手引きをして住宅ローンで不動産投資用物件を購入させようとするものです。

不動産会社に言われるがまま信じ込んでしまうと、これが不正行為であることに気が付かないかもしれません。

しかし、本人に不正の意思がなかったとしても、不動産投資用の物件購入に住宅ローンを利用したことが発覚すると、一括返済を求められます。

急にローンの一括返済を求められたため、自己破産に追い込まれたケースもあるようです。

フラット35を提供している住宅金融支援機構の発表によると、フラット35による不正融資の事例は2020年1月以降、発生していないとのことです。

しかしこうした事例もあるように、不動産会社の話を鵜呑みにしすぎるのはリスクが高いことも知っておきましょう。

転勤などのやむを得ない理由がある場合には、住宅ローンで購入した物件を賃貸で人に貸し出すことも可能ですが、不動産投資ローンに借り換えなければならない可能性があります。

なお、不動産投資ローンはフラット35よりも金利が高いため、ローンを借り換えるとキャッシュフローが悪化する恐れがあります。

入居率の見積もりが甘く、想定以上に空室が発生してしまった

マンションやアパートなどの一棟物件を購入した場合、入居率の見積もりが甘いと、空室が数室発生しただけでも赤字経営に陥り、失敗に至る可能性があります

なぜなら、不動産会社の物件広告では、満室時の利回りである想定利回りが表示されていることが多く、想定利回りを参考に不動産投資の収支計画をシミュレーションすると、入居率の見積もりが甘くなるためです。

一棟物件の購入を検討する場合は、事前にレントロールを確認したり、サブリースを利用したりすることで空室リスクを回避できます

レントロールとは、一棟物件の各部屋の入居状況や、各部屋の家賃、契約日、契約期間などを一つの表にまとめた書類のことです。

またサブリース※とは、サブリース業者がオーナーから一棟物件をまるごと借り上げ、転貸を行う契約形態です。

賃貸物件の入居状況に関わらず、サブリース業者からオーナーにサブリース賃料が支払われるため、オーナーが空室リスクを負う必要がないというメリットがあります。

マンションの区分所有を検討する場合は、賃貸物件を検索できるサイトで物件を探してみて、家賃や入居者を募集している部屋の数を確認してみてもよいでしょう。

あまりにも入居者募集中の部屋が多いようであれば、入居者が見つかりにくい物件だと推測できます。

※契約期間中であっても、更新時期にかかわらずサブリース業者から「借地借家法第 32 条」の規定により賃料の減額や、サブリース契約の解除をされることがあります。

運用の目的を見失い、物件選定を誤った

節税目的で物件を購入したものの、減価償却期間が長い新築物件を購入したばかりに、1年ごとに物件購入費用として計上できる金額が小さく、あまり節税効果が見込めなかったなどの理由で失敗に至ることがあります。

不動産投資では通常の経営と同様、収益を出すことが大切であり、節税効果は不動産投資で仮に赤字が発生した場合の副次的なものと考えましょう。

手元に現金を残しておらず、突発的な支出に対応できなかった

物件購入後に入居者の退去した際の部屋の設備のメンテナンス費用や交換費用は、通常使用の範囲内であれば大家負担になります。

毎月受け取っている家賃収入のみを当てにして、こうした突発的な支出に対する準備をしていなければ赤字どころか自己破産に陥る可能性があります。

主な部屋の設備のメンテナンス費用や交換費用は以下のとおりです。

1戸あたりの部屋の設備のメンテナンス費用および交換費用の目安

1戸あたりの部屋の設備のメンテナンス費用および交換費用の目安

※31年目以降もメンテナンスや交換費用はかかります。また、上記の金額は目安のため、実際の金額とは異なります。

出典:国土交通省 住宅局住宅総合整備課賃貸住宅対策室 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブックhttps://www.mlit.go.jp/common/001231404.pdfを元に作成。

一棟アパートや一棟マンションなどの場合、建物の修繕費用もオーナー負担となるため、さらに多くの資金を手元に残しておく必要があります。

物件の構造別の修繕費用の目安は以下のとおりです。

物件の構造別、修繕時期・費用の例(室内設備のメンテナンス費用・交換費用を含む)

物件の構造別、修繕時期・費用の例

※31年目以降もメンテナンスや交換費用はかかります。また、上記の金額は目安のため、実際の金額とは異なります。

出典:国土交通省 住宅局住宅総合整備課賃貸住宅対策室 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブックhttps://www.mlit.go.jp/common/001231404.pdfを元に作成。

家賃保証のプランを選んだが、保証されている家賃が大幅に下がってしまった

家賃保証があると聞いて安心していたものの、定期的に家賃保証内容の見直しがあることを見落としており、保証されている家賃が大きく下がったことで失敗につながることがあります。

こうした失敗を避けるために、賃貸管理を任せる会社を選ぶときは、「長期的に賃貸管理を任せられる会社か」「賃貸管理の手数料は適切か」を確認しましょう。

また、「プランや賃貸管理会社が変わっても入居率や家賃が下がりにくいエリアか」といった立地面を考慮することも大切です。

不動産投資で失敗する人の特徴

マンション経営 失敗

不動産投資に失敗する人には共通する特徴があります。主な特徴を2つ紹介します。

情報不足の状態で不動産投資を開始してしまう

不動産投資で失敗する人は、不動産会社や物件を選ぶときの情報収集が不十分な傾向にあります。

不動産投資をとりまく環境は改善されてきていますが、未だに悪質な不動産会社もあるため、不動産会社や物件選びは慎重かつ十分に情報収集したうえで始めることを心がけましょう。

計画性がない

不動産投資は長期にわたって運用していくものです。

長期間運用していれば、保有している物件が劣化したり、破損したりすることがあるため、将来生じるであろう費用を毎月の家賃収入の中から積み立てておく必要があります。

また自身が高齢になったら、いつか保有している不動産の売却や相続をする日がくるかもしれません。

しかし何の準備もしておらず、必要に迫られて手続きをすると安値で買いたたかれたり、理想的な相続ができなかったりする可能性もあります。

このように、不動産投資は計画性がないとさまざまな面で不利益が生じてします

不動産投資で失敗を回避するためには、購入前の段階で修繕計画や出口戦略(売却や相続など)まで考えておくことが大切です。

先に紹介した失敗事例は多くの場合、事前に勉強・計画していれば回避できるものもあります。

不動産投資の開始前からこうしたリスクを理解して、リスクへの対処方法、ご自身のリスク許容度を理解したうえで始めることが大切です。

知っていれば回避できたリスクにより、やむなく赤字で不動産投資を終えてしまう事態にならないよう、リスクについて以下の記事でまとめております。ぜひご一読ください。

不動産投資成功のポイント

不動産投資 成功

リスクを抑え、不動産投資を成功に導くためにも、「不動産会社選び」「賃貸管理会社選び」「物件選び」は慎重に行いましょう。

この章では「購入後も長い付き合いができる不動産会社の選び方」と「長期的な目線で収益性の高い物件を選ぶのに役立つ比較ポイント」を紹介します。

不動産会社選び

不動産投資は、「自社物件、他社物件」「新築マンション、中古マンション」「一棟、ワンルーム」「都心、地方」など多くの種類があるため、様々な物件を扱っている不動産会社の方が、選択肢は広がるでしょう。

ただし、新築や中古などに特化している不動産会社もあることから、不動産会社の特徴も含めて検討する必要があります。

また不動産投資は長期にわたって継続していくため、経営状況が安定していて倒産リスクが少ない不動産会社を選びましょう。

加えて、不動産投資が始まってからのアフターフォローも大切な比較ポイントです。

賃貸管理会社選び

賃貸管理会社選びのポイントは以下の3つです。

  • プランの内容を比較できているか?
  • 賃貸管理手数料が適正か?
  • ご自身に合ったプランが選択できるか?

複数の管理プランが用意されており、ご自身に合ったプランを選べる賃貸管理会社がおすすめです。

物件選び

物件選びのポイントは主に2つあります。

1つは提案されている物件の入居率です。アパートやマンションを一棟購入する場合は、提案されている物件の賃貸情報を確認してみましょう。

全部屋数に対して賃貸募集している部屋数が多ければ入居率が低く、入居者を集めるのに苦労するかもしれません。

2つ目として提案されている「物件の家賃が適正か」も確認しましょう。家賃が適正かどうかは、近隣の築年数や構造、間取りなどが似ている物件の家賃と比較してみましょう。

そして、購入しようとする物件よりも古い物件の家賃も見ておくと、将来どれくらい家賃が下落する可能性があるのか確認できます。

ここまで紹介した会社・物件選びのポイントはご自身で調べることに加えて、不明な点や掘り下げたい点があれば、面談時などに物件の提案をしている営業担当者に直接質問してみるのもよいでしょう。

まとめ

不動産経営 失敗

不動産投資における失敗とは、赤字で不動産投資を終えてしまうことです。

不動産投資における失敗事例を紹介しましたが、失敗する人は情報不足の状態で不動産投資を始めてしまう、あるいは計画性がないという特徴が共通しています。

不動産投資で失敗する確率を下げ、成功に導くためにも、今回紹介した失敗例などを参考に、不動産会社や物件を慎重に選ぶことが必要です。

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レイビー編集長 小泉由貴乃

監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)

管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、衛生用品メーカーで経理業務を担当。2016年 株式会社グローバル・リンク・マネジメントに入社。建物管理部門に所属し、マンション管理士、管理業務主任者の資格を活かし、管理組合の管理事務に携わる。2019年 レイビーのサイトリニューアルを機に、レイビー編集長に就任。マンション管理業務で得た知識を生かして、コンテンツ制作のディレクションを担当。出社前のジム通いが日課で、趣味はグルメ探索と実家のうさぎを愛でること。 レイビー公式Twitterアカウント(@R_E_I_B)

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