マンション投資3つのメリット・デメリット、リスクと回避法について解説

2023.4.28   2024.2.20
レイビー編集長 小泉由貴乃レイビー編集部
マンション投資のリスク 不動産投資とは

マンション投資を始めたいけれど、リスクがあるかもしれないと不安を感じていませんか?たしかにマンション投資には家賃収入を得られる、他の投資と比べてあまり手間がかからないなどのメリットがあります。その一方で、ある程度の自己資金が必要、空室が発生すると家賃収入が減少、あるいはゼロになるなどのデメリットやリスクもあります。

ただし、こうしたデメリットやリスクは対策を立てることで、回避できるものもあります。

この記事では、マンション投資において「避けられる可能性がある注意点」をリスクと定義したうえで、デメリット、およびリスク回避策について解説しています。マンション投資の成功率を上げたい方はぜひ最後までお読みください。

 

マンション投資のメリット3選

マンション投資のメリット

マンション投資は不動産を購入し、入居者を集めて家賃収入を得る仕組みのため、不労所得と言われるほど、少ない労力で収益を得られる可能性が高い投資方法です。まずはマンション投資のメリットを3つ紹介します。

収益や価格の安定性が高い

マンション投資を始めとした不動産投資は、入居者がいる限り家賃収入を継続的に得られます。また、マンション投資でもインフレやデフレによって家賃やマンション価格が変動する可能性はありますが、株式やFXに比べると変動は比較的緩やかです。

レバレッジ効果を得られる

レバレッジ効果とは、少ない自己資金で大きな金額の取引ができることを指します。不動産投資は不動産投資ローンやマンションローンを利用することでレバレッジ効果が働き、手元に十分な資金が無くてもマンション投資を始められます。

例えば手元に自己資金300万円しかなくても、残り2,700万円を借り入れて3,000万円のマンションを購入。利回りを4.0%とすると、ローン返済中は年間約18万円の収入(家賃収入120万円-ローン返済約102万円※)を得られ、ローン返済後は年間120万円の収益を得られます。

※利率1.7%、返済期間35年で計算、諸費用や税金、家賃変動については考慮せず。

一方、レバレッジ効果を活用せず、自己資金300万円で利回り4.0%の金融商品に投資をした場合、得られる収益は年間12万円です。

またレバレッジ効果は価格が下落したときのリスクが大きいというデメリットもありますが、家賃やマンション価格は他の投資商品と比べて変動が比較的緩やかであるため、レバレッジをかけたときのリスクも抑えられます。

手間の少なさ

マンション投資は不労所得と言われるほど、手間のかからない投資方法です。水漏れや設備の破損など急な対応が必要になるケースもありますが、建物管理や賃貸管理を管理会社に委託すれば、不動産所有者の労力はほとんどかかりません。そのため、会社員の方でも本業に支障をきたすことなくマンション投資ができると言われています。

マンション投資のデメリット3選

マンション投資のデメリット

次にマンション投資のデメリットを3つ紹介します。

流動性の低さ

マンション投資は、アパート一棟投資や戸建て投資に比べれば流動性が高いという特徴があります。しかし、すぐに引き出せる普通預金や1週間程度で現金化できる株式や投資信託などの金融商品と比較すると流動性は劣ります。他の金融商品などと比較すると流動性が低い点は、マンション投資のデメリットと言えるでしょう。

自己資金が必要

マンション投資用の物件を購入する際、多くの場合、不動産投資ローンを利用することになりますが、まったく自己資金が無いと金融機関は融資をしてくれない可能性があります。購入する物件の収益性や、構造、築年数、ローン利用者の属性などにもよりますが、マンション投資用の物件を購入するときは、物件価格の10~20%程度の自己資金を準備しておいた方がよいでしょう。

リスクがある

マンション投資でも、自然災害により所有物件が損害を受ける、入居者が家賃を滞納するなど、不動産投資特有のリスクがあります。リスクの中でも特に注意したいのは「空室リスク」です。

空室リスクとは、入居者が何らかの事情で退去したことにともない、家賃収入を得られなくなるリスクのことを言います。

一棟アパートなどの一棟投資であれば、仮に一部屋で空室が発生しても他の部屋の家賃収入があるため、収入がゼロになることはなかなかないでしょう。しかし、マンション一室のみを所有する区分マンション投資の場合、空室が発生すると家賃収入がゼロになる点には注意が必要です。

マンション投資の3大リスクと回避法

マンション投資のリスク

マンション投資のリスクとして考えられることは、大きく以下の3つです。

  • 空室により家賃収入が無くなるリスク
  • 金利上昇や家賃下落による収支の悪化リスク
  • 災害による建物の損壊リスク

 

3つのリスクの概要と対策についてそれぞれ解説します。

空室により家賃収入が無くなるリスク

先に述べましたが、入居者の退去によって家賃収入を得られなくなるリスクを空室リスクと言います。

空室リスクはオーナーがどんなに最善を尽くしていても、入居者の転勤、家族の都合など、やむを得無い事情もあることから、完全に避けることはできません。

空室リスクを少しでも抑えるためには、物件を選ぶ際に仮に退去が発生しても次の入居者が見つけやすい物件を選びましょう。

一例として、駅から近い、近隣に商業施設や医療施設があるなど利便性の高い物件は、次の入居者が見つかりやすい傾向があります。

また東京や大阪などの大都市圏にある物件も、継続的な需要を見込めるため次の入居者が見つかりやすい物件と言えるでしょう。

金利上昇や家賃下落による収支の悪化リスク

マンション投資は長期間にわたる投資であるため、運用期間中に金利が上昇して、返済額の負担が増加したり、家賃が下落したりして収支が悪化することもあるでしょう。

金利上昇の対策としては、仮に金利が上昇したときには繰上げ返済ができるように、あらかじめローンの繰上げ返済ができる余力(資金)を確保しておく方法があります。

また家賃下落の対策として、購入前に近隣の競合物件をチェックしておくことが大切です。購入しようとしている物件と同等で、なおかつ築年数の古い物件の家賃を事前にチェックしておくと、将来的にどれくらい家賃が下落するかおおよそ把握できます。

仮に購入後、想定外に家賃が下落してしまった場合は、不動産投資ローンの借り換えや、収支の見直しなどの対策が必要になります。それでも改善できる見通しが無いときは、損失を拡大させないために早めの売却も検討しましょう。

災害による建物の損壊リスク

火災や台風・洪水などの自然災害により所有している建物に損害が発生する可能性があります。どのエリアが地震や洪水による損害が大きくなりやすいかについては「ハザードマップ」で確認できます。購入前に物件をとりまく災害リスクについて、ハザードマップをチェックしておきましょう。ハザードマップは自治体のホームページで確認ができる他、役所で配布している場合もあります。

また自然災害などで所有するマンションが損害を受けた場合、修繕費用は通常火災保険の対象となるため、火災保険に加入して、万が一の損害に備えましょう。ただし、地震による損害に備えるためには、別途地震保険にも加入する必要があります。地震によるリスクが心配な方は、地震保険の加入も検討しましょう。

 

マンション投資の失敗を防ぐためにおさえておきたいポイント

マンション投資における失敗とは、マンション投資を最終的に赤字で終えることを指します。マンション投資に失敗しないために、おさえておきたいポイントについて解説します。

ご自身が許容できるリスクを知る

マンション投資を含め、投資全般に言えることですが、投資のリスクをゼロにすることはできません。投資をするときは、どこまでの損失までなら許容できるのか、ご自身のリスク許容度を知っておくことが重要です。

例えば空室が発生した場合、本業がある方がマンション投資をしているならば、1~2ヶ月程度なら本業の収入でカバーできる可能性もありますが、公的年金の収入がメインの方は、空室が生じると生活が成り立たなくなることも考えられます。

リスク許容度はご自身の年収や、保有資産、年齢、投資経験などによって異なります。生じるリスクに対して、「どれくらいまでの損失であれば許容できるのか」「仮にリスクが発生した場合の対策はあるか」など購入前にリスクについて知っておく必要があります。

また、将来的なリスクが起きたときのリスクシナリオも立てておくと良いでしょう。具体的なリスクシナリオとしては金利が上昇したケース、家賃が下落したケース、想像以上に修繕費が発生したケースなどがあります。

資金計画を立てる

マンション投資を始めるにあたり、収支が将来的にどのように推移するのかについて、事前に資金計画を立てておくことが大切です。入念な資金計画を立てておけば、金融機関の評価も高まり、審査にプラスの影響を与える可能性もあります。またマンション一棟投資をする場合は、大規模修繕費用を資金計画に含めることを忘れないようにしましょう。

複数社に相談する

利害関係があるため、不動産会社に相談をすると自社に都合の良い情報を優先的に説明される可能性があります。そのため、複数の不動産会社に相談することをおすすめします。過度に疑いを持って接する必要もありませんが、最初から相談先を一社に絞ってしまうと、万が一相談した先が悪質業者だった場合に気付く術が無くなってしまうおそれもあります。

マンション投資に関するお悩みQ&A

マンション投資に関するお悩み

マンション投資に関する、よくある質問について紹介します。

老後の備えに不動産投資を検討しているのですが、物件が古くなっても家賃収入を受け取れるのでしょうか?

物件が古くなっても入居者がいる限り家賃収入は得られます。ただし物件が古くなり、競合物件よりも設備が劣化してくると、家賃の値下げ交渉を持ちかけられることもあります。

このような場合に備えて、定期的な修繕や設備のリニューアルを行い、物件の価値を維持していれば、家賃の下落は比較的抑えられるでしょう。

また入居者の退去を減らすために、日頃の修繕依頼やクレームには真摯に対応しておくことが大切です。ご自身でこうした対応をすることが難しければ、建物管理や賃貸管理を委託するのも良いでしょう。

マンション投資はどのような状況の人が始めていて、どのような収支なのか?事例ベースで知りたい。

国土交通省 土地・建設産業局「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について」によると、個人投資家のうち不動産投資経験者は30代~60代が多い傾向にあり、最も多い年代は男性が50代、女性が40代となっています。

また職業別に見ると最も多いのは会社員で、世帯収入では500万円~800万円未満の世帯が多く、不動産投資は一部の経営者や医者などの富裕層だけがするものでは無いということがわかります。

次に収支ですが、一般財団法人 日本不動産研究所「第47回 不動産投資か調査(2022年10月現在)の調査結果」によると、賃貸住宅一棟の期待利回りはワンルームタイプで3.9%~5.1%。ファミリータイプで4.0%~5.5%となっています。ただし、これはあくまでも実際の投資家がその物件にどれくらいの利回りを期待しているかを表す数値のため、実体の数字とは異なる可能性があります。

利回りで考えるとアパート一棟や戸建てへの投資に魅力を感じる。なぜマンションなのか?

マンション投資のうち、ワンルームマンション投資であれば物件価格が安いため、比較的少ない手元資金で不動産投資をスタートできます。

またワンルームマンション投資であれば、エレベーターや給排水設備といった共用部分や外壁などの修繕費は、基本的にマンションを所有しているオーナー全員で構成される管理組合が負担します。オーナーは管理組合に修繕積立金の支払いは必要ですが、所有する部屋以外の修繕費用を個別に準備する必要はありません。

不動産投資の物件を選ぶ際は利回りも大切ですが、物件の立地や管理のしやすさ、購入後の修繕費用、災害リスクなども含め、総合的に判断することが大切です。

まとめ

マンション投資

マンション投資はメリットばかりではありません。今回はあえてデメリットとリスクについても解説しました。しかしこうしたデメリットやリスクは、物件購入前に対策を立てておくことで回避できるものもあります。

ただし実際に物件を購入しようとすると、個別具体的な疑問や不明点が出てくる可能性もあるでしょう。

実際の運用事例や、マンション投資とアパート投資それぞれのメリット・デメリットについてもう少し詳しく知りたい方は、10分間からでも気軽に相談可能な個別相談を活用してみましょう。市場に出回っていない自社のみの物件情報もご提供可能です。

 

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レイビー編集長 小泉由貴乃

監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)

管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、衛生用品メーカーで経理業務を担当。2016年 株式会社グローバル・リンク・マネジメントに入社。建物管理部門に所属し、マンション管理士、管理業務主任者の資格を活かし、管理組合の管理事務に携わる。2019年 レイビーのサイトリニューアルを機に、レイビー編集長に就任。マンション管理業務で得た知識を生かして、コンテンツ制作のディレクションを担当。出社前のジム通いが日課で、趣味はグルメ探索と実家のうさぎを愛でること。 レイビー公式Twitterアカウント(@R_E_I_B)

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