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不動産投資で得られる不労所得は月いくら?大家の業務についても解説!
不労所得とは「自ら労働することなく得られる所得」のことです。
不動産投資で得られる「家賃収入」は、自ら働かなくても、入居者がいる限りは継続的に得られるため「不労所得」であるとされています。
では、不動産投資を行うと毎月どれくらいの不労所得を得ることができるのでしょうか?仮に都心のマンションを1部屋所有した場合、得られる家賃収入の目安は1Kタイプで月10万円前後、1LDKタイプで15万円前後です。
実際には、不動産投資で得られる不労所得の金額は、マンション、アパートなど物件の種別、間取りや立地によって大きく異なります。また、物件購入にあたり融資を受けた場合、家賃収入からローン返済をする必要があります。
不動産投資を始めるにあたり、融資を受ける可能性もある他、マンション、アパートなど物件の種別によっても大きく不労所得の金額は異なります。当記事で、都心・東京圏・地方のマンション及びアパートの賃貸相場を比較してまとめているので確認してみましょう。
また、不動産投資を成功に導くためには、新築・中古、都心・田舎など自分にはどのような物件が良いのか知ったうえで、効率的に情報収集をすることが大切です。
この記事では、不動産投資における4つの注意点と、計画通りに不労所得を得るためのポイントについて解説しています。
都心・東京圏・地方のマンション及びアパートの賃貸相場も紹介していますので、不動産投資で不労所得を得てみたいと考えている方は、参考にしてみてください。
不動産投資で不労所得を得られる仕組み
不動産投資で得られる利益にはインカムゲインとキャピタルゲインの2通りがあり、インカムゲインとは、入居者から得られる家賃収入のことです。
一方、キャピタルゲインとは、保有している不動産を売却して得られる利益のことを言います。
不労所得を得る目的で不動産投資を行う人は、インカムゲイン=家賃収入を目的とした不動産投資をしていくことになります。
①家賃収入による副収入効果
不動産投資は、アパートやマンション、戸建てなどの不動産を購入してオーナーとなり、入居者に貸し出すことで定期的に家賃収入を得る投資方法です。
不動産投資の家賃収入は、入居者さえいれば定期的に得られる収入であるため、不労所得にあたるとされています。
不動産投資を始めることで、家賃収入という副収入を本業の収入にプラスして得られるようになります。
②家賃による貯蓄効果
不動産投資を始めるためには不動産の購入が必要ですが、不動産を現金一括で購入できる方はまれで、一般的には不動産投資ローンを利用します。
不動産投資ローンを返済している間は、家賃収入からローンを返済していく必要があります。
しかし、不動産投資ローンの返済が終われば、不動産は資産として手元に残り、家賃収入から経費などを差し引いた額を不労所得として得られる状態になります。
例えば不動産投資ローンの返済中は、年間の家賃収入が120万円、経費が24万円、金融機関への返済が93万円だったとすると、手元に残る不労所得の金額は年3万円です。
しかし、不動産投資ローンの返済が終われば、手元に不動産という資産が残るうえ、年間93万円の返済は無くなります。
③節税効果
不動産のように長期間利用することが前提となるものは、購入費用を全額その年度に計上するわけではなく、何年かに分けて費用を計上することが可能です。
このように数年に分けて費用計上する会計処理のことを減価償却、減価償却で計上される費用のことを減価償却費と言います。
減価償却費を費用計上して会計上の赤字を作り、ご自身の給与所得と不動産所得の赤字を損益通算することで、課税金額を圧縮することができます。
④運営を管理会社に任せることができる
不動産投資の家賃収入は不労所得と言われているものの、物件管理や賃貸管理をご自身で行っている場合、所有している物件の共用部分から水漏れが起こったり、入居者の部屋でトラブルが起きたりした場合などには、急な対応を求められることがあります。
お勤めをしながら不動産投資を行っている場合、急なトラブルが起こっても対応できないケースもあるでしょう。また、退去者が出て空室が発生した場合は、早急に次の入居者を探す必要があります。
物件管理や賃貸管理を不動産管理会社に委託しておけば、こうした共用部分や入居者の部屋で起こったトラブルの対応や入居者募集も全て任せることができます。
不労所得を得るメリット
老後に年金+αの収入を得ることができる
不動産投資では、入居者がいる限り継続して家賃収入を得ることができます。
すでに公的年金だけでは、最低限の生活さえもままならない時代と言われています。
定年退職をした後も公的年金に家賃収入がプラスされることで、老後の生活がより充実したものになることも期待できるでしょう。
生命保険効果を得られる
ローンを利用して不動産を購入した場合、返済期間中にローン契約者が死亡したり高度障害が起きる等の万が一のことが起こってしまうとローンの返済に困ってしまうことでしょう。
こうしたリスクを避けるため、不動産投資ローンを利用する際は、団体信用生命保険(通称:団信)という生命保険に加入することになっています。
団信に加入することで、契約者に万が一のことがあった場合、団信により保険金が支払われローンの残高がゼロになるので、ローン残債のない不動産と定期的な家賃収入という不労所得を遺族に遺すことができます。
不動産投資は生命保険効果があると言われるのはこうした理由からです。
インフレ対策になる
世の中の物価が上昇することをインフレと言います。
物価が上昇しているにも関わらず、単に手元に現金を持っているだけでは、お金の価値は目減りします。インフレによって物価が上がり、生活費が10%上昇したからと言って、手元の現金も10%増えるということはないからです。
一方、不動産投資の場合は、不動産という「現物」そのものに価値があるため、インフレが起きたとしても価値が下がりにくいという特徴があります。
また世の中のインフレ基調の高まりによって、不労所得である家賃の値上げができる可能性もあるでしょう。
不動産投資における4つの注意点
不動産投資には、始めた後に生じる可能性のあるリスクが存在します。主な不動産投資のリスクを4つ紹介します。
空室リスク
不動産投資は家賃収入という不労所得を得られますが、常に入居者がいるとは限りません。入居者が転勤や結婚といった事情で退去することもあるため、空室はいつか必ず発生するものです。
仮に1室の家賃が10万円で、8部屋あるアパートを所有していた場合、満室なら家賃は毎月80万入りますが、1部屋空室が発生すれば70万円に下がります。
並行して不動産投資ローンも返済していると、空室が発生した場合の不動産投資のキャッシュフローはマイナスになる可能性があります。
4部屋のアパートで、毎月の不労所得が26万円(1部屋あたりの家賃は月6.5万円)、返済額が月25万円の場合、空室が発生するとキャッシュフローは以下のように変化します。
満室の場合 | 1部屋空室が発生 | |
---|---|---|
不動産投資ローン返済額 | 25万円 | 25万円 |
家賃収入 | 26万円 | 19.5万円 |
キャッシュフロー | 1万円 | ▲5.5万円 |
設備故障
不動産投資では、設備故障による修理費など突発的な支出が発生する可能性もあります。また、老朽化によって設備の交換が必要になるケースもあるでしょう。
不動産投資に関連する主な設備の交換時期や交換費用の目安は以下の通りです。
設備 | 交換時期の目安※1) | 金額※2) |
---|---|---|
ガスコンロ | 15~20年 | 6万円 |
ウォシュレット | 10年 | 3万円 |
フローリング | 15~20年 | 1㎡当たり3,000円 |
給湯器 | 8~10年 | 7万円 |
インターホン(モニター付) | 15年 | 5万円 |
※1)交換時期は使用状況により早まることがあります。
※2)金額はそれぞれの性能によって異なります。
また、所有する物件数や部屋数が増えれば、設備故障が発生する件数も増えること、築年数が経てば経つほど、設備故障の発生頻度が増えていくことは留意しておく必要があります。
資産価値下落リスク
不動産投資において、空室を埋めるため家賃を下げて入居者を募ったり、築年数の経過に伴い物件が老朽化したりすると、資産価値が下落する可能性があります。
アパートやマンションなどの物件価格は、家賃収入を利回りで割る「収益還元法」という方法で計算をします。
アパートの年間家賃収入が200万円、経費40万円、還元利回り7.0%とした場合、物件価格は以下のように計算します。
{(200万円-40万円)÷7.0%}=約2,285万円
この計算式に当てはめてみると、不動産投資の家賃収入が減少すると、物件価格も下落することがわかります。
仮に売却を検討していて、売却時に不動産投資ローン残高が売却価格よりも上回っているとオーバーローンとなり、売却したくても売却できない資産になってしまうリスクもあります。
災害リスク
不動産投資向けに所有している物件が、火事や落雷・台風・洪水などの自然災害により損害を受けてしまうと、修理や修繕が必要になり費用が発生します。
不動産投資向けの物件に火災保険をかけておけば、火事や自然災害による損害は、保険金額の範囲内で補償されますが(新価・実損払いの場合)、修理代全額が認定されるとは限りません。
また、地震で建物が損壊した場合は、通常の火災保険では補償の対象外になります。地震による損害をカバーするためには、火災保険に特約として地震保険を付加しておくことが必要です。
ただし地震保険は、火災保険の半分の保険金額までしか設定ができないので、損害の内容によっては十分な補償を受けられないことがあります。
不動産投資における賃料相場
区分マンションと、アパートの賃料相場を23区・東京圏・地方(静岡県)で比較してみましょう。
区分マンション投資
出典元:LIFULL HOME’S「静岡県の家賃相場情報」「東京都の家賃相場情報」の2022年7月29日(金)時点のデータを加工して利用
23区は相対的に賃料の相場は高めですが、東京圏と地方を比べると家賃の下値ラインではさほど差がありません。
アパート投資
出典元:LIFULL HOME’S「静岡県の家賃相場情報」「東京都の家賃相場情報」の2022年7月29日(金)時点のデータを加工して利用
全体的に区分マンションよりは家賃が安めです。特に地方のアパートの賃料相場はとりわけ低い水準であることが分かります。
不労所得を得るために必要な対応
入居者募集
不動産投資を行うために購入した物件が、常に満室状態であるとは限りません。
特に不動産投資ローンを組んだ状態で空室が発生すると、不動産投資におけるキャッシュフローが赤字になる可能性があるので注意が必要です。
空室がある物件を購入する際は、速やかに入居者募集に取り掛かりましょう。
家賃回収
不動産投資を行っていると、なんらかの事情で家賃が滞る入居者が現れる可能性があります。
すぐに連絡が取れて、滞納した家賃を回収できれば問題ありませんが、滞納者全員の家賃がスムーズに回収できるとは限らないので注意が必要です。
入居者対応
自主管理をする場合、入居者の部屋に備え付けられている設備の修理なども基本的にはオーナーが対応することになります。
給湯器の故障や、水漏れなど緊急性が高く、早急な対応を求められることがあるかもしれません。
また、入居者の部屋で水漏れが発生し、下の階の入居者の部屋や家財を濡らしてしまった、あるいは騒音などの住民同士のトラブルにも対応する必要があります。
なお、賃貸管理を委託している場合は、管理会社に対応してもらうことができます。
退去時の原状回復
入居者が退去した後は、次の入居者を探すことになりますが、ルームクリーニングやフロア(床)・壁紙の張り替えなど、次の入居者を迎えるための準備をする必要があります。
これらの原状回復をする場合の費用相場は以下の通りです。
ハウス クリーニング |
ワンルーム 2万円 1K 3~5万円前後 ※面積によって異なる |
---|---|
壁や天井 の張替え |
1,000~1,500円/㎡ |
床の張り替え | 2~5万円/㎡ |
※上記の費用は目安として掲載しており、実際の状況により金額が異なります。
不動産投資の家賃収入は不労所得だと言われているものの、全ての管理をご自身で行おうとすると相応の労力がかかります。
本業と並行して不動産投資を行う方は、賃貸管理会社に委託をすることも検討すると良いでしょう。
計画通りに不労所得を得るためのポイント
不動産投資を始める場合、物件購入代金のほかにも、老朽化した設備の修繕や、火災保険・地震保険などの保険料、賃貸管理会社に委託した場合の委託料などを支払う必要があるため、最初から自己資金を使わずに不労所得を得るのは難しいでしょう。
とはいえ自己資金が十分用意できていない、あるいは不動産投資ローンを新たに組みたいので、自己資金は手元に残しておきたいなど、自己資金はなるべく使いたくないケースも考えられます。
以下、不動産投資をより有効に運用するための選択肢をお伝えします。
頭金を投入する
不動産投資ローンを利用する際に、頭金を投入するとローンの借入元本が減るため、必然的に利息を含めた総返済額は減少します。
また、十分な自己資金を用意していると金融機関から判断されるため、審査で有利に働く可能性もあります。
繰り上げ返済をする
不動産投資ローンは、一般的に住宅ローンよりも利息の負担が大きいので、繰り上げ返済をしたときの利息軽減効果は大きくなります。
長い目で見れば不動産投資ローンの総返済額は減少するため、自己資金を手元に確保しやすくなります。
ただし、繰り上げ返済をすると手数料が発生することもあるので、繰り上げ返済をする前に金融機関と交わした「金銭消費貸借契約書」の内容を確認しましょう。
そのまま借り続けた場合は?
不動産投資ローンの繰り上げ返済をせずにそのまま借り続けても、いずれは返済が終わり、それ以降は入居者がいる限りは不労所得が入り続けます。
また、機をみて所有している不動産を売却するという選択肢も考えられるでしょう。
すでに不動産投資ローンは返済し終わっているため、売却をすれば、売った金額がそのまま売却益になります(ただし売却に伴う税金や諸費用は発生します)。
物件は中古か?新築か?
区分マンションを含め、不動産投資全般に言えることですが、中古物件よりも新築物件のほうが、入居者が集まりやすい傾向があります。
しかしその反面、新築物件は物件価格が高いので、利回りは低くなる傾向にあります。
ただし、中古物件も購入する物件によっては修繕費がかかり、結果として利回りが低くなってしまうケースもあるため、新築と中古のメリットとデメリットを十分比較してから検討する必要があるでしょう。
場所は都心か?地方都市か?
こちらも不動産投資全般に言えることですが、都心で利便性の高い物件の方が入居者は集まりやすい傾向があります。
しかし、やはり都心の物件は価格が高く、利回りが低くなる傾向にあります。
一方、地方都市の物件は物件価格が安く、利回りが高くなりやすいですが、入居者が見つけにくいというデメリットがあります。
地方都市の物件は利回りが高めで魅力的ですが、難易度がやや高いので不動産投資初心者の方が扱う場合は、しっかり検証することをおすすめします。
不動産業者とのつながりをつくる
不動産投資を行ううえで不動産会社とのつながりは大変重要です。
不動産会社と良い関係を築いていると、良い条件の物件情報が入ってくることがあります。
場合によっては、安くて信頼できるリフォーム業者の紹介を受けたり、細かいところでは、給湯器や壁紙などを安く購入・交換できるサービスなどを教えてくれたりすることもあります。
このように不動産業者とのつながりは何かと役に立つので、普段からこまめに連絡をとって関係性を保っておくと良いでしょう。
まとめ
不動産投資は不動産を購入して家賃収入を得る投資方法です。
入居者がいる限り、家賃収入は入り続けるため、不動産投資を始めることで不労所得を得ることができるといわれています。
しかし、空室による家賃の減少や、設備の修理代として自己負担が発生する可能性があるなどのリスクもあります。
また、入居者募集・家賃の回収・退去時の対応などは基本的に不動産オーナーの仕事なので、不動産投資で不労所得を得られると言っても、全く何もしなくても良いわけではありません。
一方、家賃収入によって老後の公的年金の上乗せになるなど、魅力的な投資方法でもあります。
不動産投資で不労所得を得たいと少しでも感じたら、まずは不動産投資の情報収集からでも始めてみましょう。
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監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)
管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士