2021.03.22
#9 2020年、コロナ禍で東京の人口はどのように変化したか? ~外国人の転出超過が目立ち、女性は男性の2倍以上の転入超過数~
2021/03/22
グローバル都市不動産研究所から第9弾のレポートを公開しました。
分析結果ダイジェスト
01 【2020年の東京の人口動向】外国人が大幅減、12月には日本人の減少も拡大
- 新型コロナの影響で東京都の人口は急速に減少するのではないかと言われながらも、2020年は年間8600人の人口増となった。ただし、2019年の年間9万4193人増と比べると、その数は大幅に低下している。
- 年間増加数を日本人・外国人別でみると、日本人は3万9493人増、外国人は3万893人減であり、外国人の減少がより大きく影響を与えたことが分かった。
02 【東京の転入・転出の動向】30~40歳が転出超過、女性が男性よりも転入超過
- 2020年3~4月の時点では外国人の転出超過が目立ったが、8月以降は日本人の転出超過が大半を占めた。
- 前年は転入超過であった30歳代、40歳代が、2020年には大きく転出超過に転じた。
- 2020年の転入超過数の総計は女性2万1493人、男性9633人と、女性の方が男性よりも2.23倍多くなった。コロナ禍においても、女性は男性よりも東京都を志向し、また東京都に住み続ける傾向も強いことを示している。
- 東京都からの転出は、北海道や沖縄県のような地方ではなく、東京圏内の近隣3県に分散したことが分かった。
03 【東京23区の詳細分析】減少区は外国人の影響大、都心区では一貫して増加
- 人口増減の総数でみると、2020年は東京都区部全体で2154人増と、2019年の8万3991人増と比べて増加数は大幅に低下し、区別には13区で減少となっている。
- 日本人の人口でみれば21区で増加しており、減少しているのは江戸川区と葛飾区の2区のみに過ぎず、外国人を含む総数で大きく減少をみせた新宿区、豊島区は、外国人の減少が人口総数の減少につながったといえる。
- 一方、千代田区、中央区、台東区といった東京都心区では、すべての期で一貫して日本人の人口が増加し続けている。