2021.10.08
#12 2021年下半期以降、不動産投資に期待集まるか? ~東京の不動産価値を多角的に分析~
2021/10/08
グローバル都市不動産研究所から第12弾のレポートを公開しました。
分析結果ダイジェスト
01 【東京の人口動向】日本人は人口流入が続いている
- 東京都の人口推計によると、2021年1月から若干の減少になるも、5月1日には1405万6643人まで回復。しかしその後は再び減少に転じた。新型コロナウイルスの影響で外国人が大幅な減少となったことが主な要因。
- 日本人は17区で増加し、特に江東区などの都心区や、練馬区などの学生や新入社員が好む区で人口増が目立った。
02 【マンション・オフィス市況、地価動向】住宅系の不動産取引が堅調
- 東京都区部の新築マンションの新規販売戸数は、2021年1月には緊急事態宣言を受けて減少したが、8月まで7カ月連続で前年同月比プラスとなった。中古マンション成約件数も活況を呈したが、8月には感染拡大の影響で19.2%減となった。一方、成約㎡単価は8月まで16カ月連続で前年同期比プラスを維持している。
- 住宅系地区の地価は昨年の横ばい基調から上昇基調へと変わりつつある。
03 【投資動向】インバウンドのオフィス・ホテル取引額が増加、不動産投資の意欲も高い
- インバウンド投資額の総額は頭打ちとなるも、海外投資家の投資活動は回復傾向にある。地価が下落傾向にある商業地への関心が高まっており、住宅・商業の両方で東京の不動産価値は底堅いと言える。
- 緊急事態宣言以降、将来の収入への備えとして新たに投資を始める人が増えている。家計の金融資産のうち、特に株式や投資信託残高が極めて高い伸び率になっている。
- 「今後1年間で不動産投資を積極的に行う」と回答した割合は2019年10月の95%に迫る勢いまで回復している。
04 都市政策の専門家 市川宏雄所長による分析結果統括
- 東京への人口流入は確かに減少したが、去年は増加であった。さらに都心回帰の動きは依然として続いており、都心の不動産は住宅地についての下落は顕著には見られていない。
- コロナ禍で供給が減り需要とのギャップが生じ、今回のパンデミックを経験して不動産に興味を持つ人が増え、東京都心に対する不動産投資の国内外の注目は続くと思われる。